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【書籍メモ】『社会科学のための統計学入門』(講談社)

講談社からご恵贈いただいた『社会科学のための統計学入門』を読みました。身近な事例を題材に統計学の基礎を解説しています。個人的には著者の統計学に対する姿勢に同意する部分が大きかったです。

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技術書を読む際、特に重視しているのが最初と最後です。共に著者の思いが込められている章です。前者は広い読者向けに書籍の概要や方向性が解説され、後者は書籍に盛り込めなかった発展的な内容が議論されています。 本書では「Chapter 0 イントロダクション 社会科学と統計学」と「Part IV 終わりに Chapter 15 統計学の応用とこれから ビッグデータベイズ統計学」が該当します。 4ページの「イントロダクション」で、統計学を使う中でどうしても主観が入る旨を記載している点が個人的に好印象でした。この点については「終わりに」で紹介する機械学習ビッグデータでも一貫して言及しています。

本書ではデータを集めて要約する方法から始め、相関と因果の議論・予測・検定・分布などの話題を扱います。「社会科学のための」という枕詞は付いていますが、実践や応用の対象として社会科学を見据えている面が大きいです。広く統計学を学びたい人が読む書籍としても、初学者にお勧めしやすい書籍でした。