2024 年 6 月 7 日に共立出版から発売された『コンピュータビジョン最前線 Summer 2024』を読んだので、感想を綴ります。なお本書は、寄稿者の一人である清野舜さんのご厚意でご恵贈いただきました。
コンピュータビジョン最前線
「コンピュータビジョン最前線」は、2021 年の冬の創刊から 3 カ月ごとに刊行されている季刊誌です。シリーズ名の通り、毎号コンピュータビジョンに関連する最先端の話題の解説記事が掲載されています。
進展の早い最先端の話題について、有識者による解説記事が日本語で読めるのは非常にありがたいです。B5 判の約 150 ページで 3,300 円(税込)と、技術書の相場からすると若干割高に感じるかもしれません。ただし、興味のある話題を端的に把握できると考えれば、悪くない買い物になるのかなと思います*1。
たとえば『コンピュータビジョン最前線 Summer 2023』に掲載された「フカヨミCLIP―おおざっぱなCLIPを目利きに育てる!―(品川政太朗)」では、画像・言語の両者を対象とする基盤モデル「CLIP」の概要と課題、および課題に対応するための派生研究がまとめられていました。論文投稿中の状況でまだ詳しくは記載できないのですが、この解説記事を読んだおかげで、私自身が書いた論文の貢献が自分の中で整理できたと感じています。
コンピュータビジョン最前線 Summer 2024
本号の特集は「生成 AI」でした。 私の業務での取り組みや研究の興味関心に近い、以下の 2 つを重点的に読みました。
- イマドキノLLM構築―ゼロからつくる最良の日本語言語モデル―(高瀬 翔・清野 舜・李 凌寒)
- イマドキノ生成AIの法律問題―生成AI開発・利用における法的留意点を10分で把握する!―(水野 祐)
前者は、近年の研究動向に基づく大規模言語モデル(LLM)の優れた解説になっています。個人的には、日々の業務で LLM の構築や利活用に携わる中で、LLM の概要を説明する機会が多いです。このような解説記事の中で、何をどのように説明すると良いか、とても参考になりました。
後者は、LLM に限らない生成 AI に関して、法的留意点を解説しています。開発と利用の 2 段階に分けて議論しており、自身が関わる領域で考慮すべき事項の見通しがよくなる解説記事だと感じました。
おわりに
『コンピュータビジョン最前線 Summer 2024』の書籍メモを書きました。日本語で読める最先端の話題の解説記事をご寄稿・編集いただいている皆さまにお礼申し上げます。
*1:「コンピュータビジョン最前線」をご恵贈いただいたのは今回が初めてです