u++の備忘録

【書籍メモ】『新 企業の研究者をめざす皆さんへ』(近代科学社)

「Kaggle Days Championship Final」でスペイン・バルセロナに来ています(参照)。航空機含めてインターネットに接続できない期間も多かったので『新 企業の研究者をめざす皆さんへ』(近代科学社)を読んでいました。含蓄に富む書籍で、また日をあけて改めて読み返すと新たな気づきがありそうに感じました。

www.kindaikagaku.co.jp

以下、個人的に気になった点を綴ります。

Research That Matters

第1章のタイトルにもなっているメッセージです。「企業で行う研究は、その成果が世の中に目に見えるインパクトを与えるべきである」という第1文から始まり、本書では一貫して企業での研究の意義を訴えかけています。問題設計の大切さや論文を書く理由など、話題は多岐にわたります。個人的には「もしあなたが、今まで設定した問題をすべて解いてきたのだとすれば、あなたは研究者として十分にチャレンジしてはこなかった」という言葉はなかなか痛いところを突かれました。どちらかというと要領よく物事を進めがちなタチなので、挑戦の気概を持ち続けねばと気を引き締めました。

多様なコミュニケーション

本書はコロナ禍前の 2019 年 12 月に刊行されましたが、第 3 章では既に Slack だけではない対面コミュニケーションの大切さが強調されていました。 その他、会議・議論・研究発表など、各種コミュニケーション方法についての所感がまとめられています。 特に「3.4 交渉する」で言及されていた「説得と納得の違い」が印象に残っています。

リーダーシップ

研究者としてのリーダーシップに関する話題が、第 5 章にまとまっています。 「リーダーシップには決まった正解がない」とした上で「いくつか紹介したベストプラクティスや、他人の経験から学び、また皆さん自身の実践から自分のリーダーシップスタイルを見つけていってほしい」と総括しているのが、とても良いメッセージだなと感じました。 自分自身も少しずつ他者を巻き込んでの仕事が増えているので、先人に学びつつ自分なりのやり方を模索していこうと思います。