11月29日、ブレインパッド主催の「白金鉱業 Meetup Vol.4」に参加しました。
ブレインパッドが定期的に実施している勉強会の第4回で、今回から「Platinum Data Meetup」より名称変更しました。今回は発表が3件あり、特に自分も出展した技術書典の話が気になって参加しました。
- 位置情報データをマーケティングに活用する時に気を付ける事
- 技術書典のサークル座席配置最適化
- マネージャーあるいはリーダーという仕事
以下では、各発表の感想を備忘録としてつらつらと書きたいと思います。
位置情報データをマーケティングに活用する時に気を付ける事
田村 潤さん / 株式会社ブレインパッド アナリティクスサービス部
位置情報を分析し、マーケティング施策に落とし込む取り組みについての紹介でした。
一番参考になると思ったのは「正解データ」の作り方でした。分析した結果の精度検証に当たって、例えば「実際にユーザがいつ・どこに・どのくらい滞在したか」の情報が必要になりますが、純粋な位置情報からは「正解データ」を得ることができません。
そこでこの事例の場合は、顧客も巻き込み「実際に現場を歩く」ことで「正解データ」を作成したとのことです。質疑応答では「少なくとも数十単位のサンプルサイズが欲しい」とお話されていました。過度にデータの世界だけに閉じこもらず、現実世界と紐づけた枠で物事を考える大切さを改めて実感しました。
位置情報からマーケティング施策に落とし込む上での注意点として「ユーザとの適度な距離感を保つ」ことを挙げられていました。この点は非常に重要だと思う一方で、ユーザの特性や時代によっても基準が変わるため、「適度な距離感」を測るのは難易度が高いようにも感じました。
ちょうどイベント前日に、下記のように言及しているYahoo!の記事を読んでいました。
よりユーザーのことを理解する「超理解」を用いればユーザーが気付いていないような利便性の高いサービスも提供できます。そうなると「気持ち悪い」を超え、「すごい!」に変わるのです。
つまりは「ITで物事がどんどん便利になる一方で、どういう仕組みなら好意的に受け入れられるか」ということで、個人的な興味・関心にも近い話でした。
今回の事例に限らず、より具体的に「こういう施策は受け入れられた」「こういう施策を打ったらユーザから苦情が来た」のような事例が聞けると参考になるなと思いました。後者のような失敗事例はなかなか世に出てこないのが悩ましいところです。
技術書典のサークル座席配置最適化
藤原 秀平さん / 株式会社メルペイ
過去にブログや『技術季報』でもまとめられていた題材で、今回は実際の試行錯誤を時系列に沿って赤裸々に語る内容でした。
- 解く問題の設計次第で計算量が発散する
- 緩和解を許容すると、非現実的な解が算出される
など、現実世界の問題を数理最適化問題に落とし込む際の「あるある」が共有され、非常に興味深かったです。同時に「どこまでをコンピュータに解かせ、どこまでを人間が調整するか」という問題設計の時点での切り分けの重要さを実感しました。
数理最適化の効果としては「第4回で250サークルの配置たたき台を作るのに人間で丸2日」だったのが「500サークルで5分」になったそうです。コンピュータで作った配置たたき台を基に、浮いた時間で人間が質を上げていったとのことでした。
運営側としては、関連するサークルを近くに配置することで下記二つを期待しているとお話されていました。
- 来場者にとって便利に、また予期せぬ技術書との出会いを起きやすくする
- 出展者同士の横のつながりを作る(特に隣同士は結構喋るので、かなり意識して作ったそうです)
特に後者の出展者同士のコミュニティ醸成も意識しているとはあまり思っておらず、運営の方がかなり奥深くまで考えられてるのを、ひしひしと感じました。
マネージャーあるいはリーダーという仕事
紺谷 幸弘さん / 株式会社ブレインパッド アナリティクスサービス部
50人近くのデータアナリストを抱えるアナリティクスサービス部長の紺谷さんが、マネージャー側の仕事を志したきっかけやマネジメントの方針についてお話されました。
50ページを超える発表資料で、過去の具体的な経験から始め、最後には「個々人のパフォーマンスにおける内的世界と外的世界のつながり」という抽象的な話にも言及されていました。データ分析という題材に限らず、マネジメントを考える上で参考になる普遍的な話だと思いました。
おわりに
今回は参加した「白金鉱業 Meetup Vol.4」について、発表3件の雑感をまとめました。懇親会などでTwitterのフォロワーさんら含め多くのデータアナリストの方と交流もでき、有益な時間を過ごせました。運営のブレインパッドさん、ありがとうございました。