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【書評】コンピュータサイエンス探偵の事件簿 ―データ構造と探索アルゴリズムが導く真実

https://www.amazon.co.jp/dp/4873118433/

あらすじ(「BOOK」データベースより)

警察署で発生した書類盗難事件の解明を依頼された私立探偵フランク・ランタイム。さまざまなデータ構造と探索アルゴリズムを駆使して、事件の謎に迫る。事件を追ううちに、その背後にある国家転覆を謀る魔術師たちの存在に気づくフランク。彼は魔術師たちの陰謀を阻止し国の平和を守ることができるのか―。探偵もののストーリーにのせて、コンピュータサイエンスの基本、「探索アルゴリズムとデータ構造」を紹介。取り上げる探索アルゴリズムは、線形探索、二分探索、幅優先探索深さ優先探索、並列探索、反復深化、最良優先探索、そしてデータ構造は、配列、スタック、キュー、二分探索木など。推理小説を楽しみながらコンピュータサイエンスの基本を身に付けることができます。

書籍の概要

2016年8月に発売された下記の本の翻訳版。カスタマーレビューは星5が5件、星1が1件と、件数が少ないながらも高評価を受けています。

https://www.amazon.co.jp/CS-Detective-Algorithmic-Conspiracy-Computation/dp/1593277490/

探偵もののストーリーを楽しみながら、コンピュータサイエンスの基本「探索アルゴリズムとデータ構造」の概要に触れられる本書。私立探偵フランク・ランタイムが警察署で発生した事件を、探索アルゴリズムを駆使して解明していきます。

扱う内容を抜粋すると下記の通りで、基礎的な部分が網羅されていると思います。

アルゴリズム
データ構造
  • 配列
  • スタック
  • キュー
  • 二分探索木

所感

章ごとに、ストーリー部分と講義部分が別立てになっているのが好印象でした。ストーリーの中で触れられたトピックについて、改めて章の末尾で解説をする構成になっています。もちろん講義部分は読み飛ばしてもストーリーの理解には影響がないです。

(僕は最後の方、ストーリーの展開が気になって講義部分をいくつか読み飛ばしてしまいました笑)

最後に、章の見出しをいくつか上げておきます。この見出しを見て心躍る方には、ぜひ一読をオススメしたいです。

  • 3. 無法者たちの牧場にある配列とインデックス
  • 9. 探索を進めるためのバックトラック
  • 11. 朽ち果てた牢獄での深さ優先探索
  • 12. カフェテリアのスタックとキュー
  • 27. 政略と学会におけるヒープ