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「無観客試合」となる「R-1ぐらんぷり2020」に関する仮説と可視化

今夜のピン芸人ナンバーワン決定戦「R-1ぐらんぷり」は、流行する新型コロナウイルスの影響を受け、史上初めて無観客で開催されます*1

この異例の事態を受けて、自分の中で「会場のウケ量が分かりづらく審査員が判断に困るのでは」という仮説が浮かびました。本記事では、この仮説の検証に役立ちそうな2つの可視化を実施します。

前提:R-1ぐらんぷりの審査方式

R-1ぐらんぷりの審査方式は、2012年大会以降、次の方式となっています。

決勝出場者12人によるブロックトーナメント。3つあるブロックごとに4人が出場する。各審査員は持ち点3点をその面白さに応じて4名に振り分け、最多得点の1名が勝者。各ブロックの勝者計3人がファイナルステージに進出。改めてネタを披露し、審査員の指名投票により優勝者を決定する。人数の増加に伴い、ネタ時間は3分に変更。

R-1ぐらんぷり - Wikipedia

可視化1:「各審査員は、偏った投票がしづらくなるのでは?」

会場のウケ量が分かりづらくなることで、今年は「1人に3票」が減って、無難な「2票・1票」「1票・1票・1票」が増えると予想しています。

3票の振り分け方は3種類あり、2019年までの傾向は次の通りでした。「2票・1票」が圧倒的に多く、ついで「1人に3票」、「1票・1票・1票」はほとんどありません。

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審査員別に見ると、次の通りです。比較的「攻めた」審査をしている方など、傾向が見て取れます。

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可視化2:「ブロック単位でも投票の偏りが減るのでは?」

審査員単位ではなくブロック単位で見た場合も「今年は圧勝が減って票のバラツキが大きくなるんじゃないか」と予想しています。

過去の結果について、バラツキの指標と言える「ジニ係数」を算出して可視化しました。 ※ お茶の間dポイントは除外

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ジニ係数は分配の不平等さを測る指標で、たとえば4人への投票の振り分けが「13票・2票・0票・0票」のときに大きく、「4票・4票・4票・3票」のときに小さくなります。

おわりに

本記事では、史上初の「無観客試合」となる「R-1ぐらんぷり2020」について「会場のウケ量が分かりづらく審査員が判断に困るのでは」という仮説を述べ、2種類の可視化を実施しました。結果がどうなるかは、今夜のお楽しみです。

ソースコードはNotebook形式で公開しています*2