u++の備忘録

独立したデータ分析チームを作るべきか否か #分析リーダーズトーク へ行って考えた

昨日開催された「Data Analyst Leaders Talk! #2」に行ってきました。

connpass.com

イベントの書き起こし的な記事は他で挙がっているので、そちらに譲ります。

www.grisoluto.com

本記事では、私がデータ分析チームについて抱いていた疑問に焦点を当て、パネルディスカッションや懇親会での話を踏まえての自分なりの結論をまとめたいと思います。

私の疑問

イベントの運営さんに拾ってもらうためにTwitterハッシュタグを付けて投稿したところ、結構「いいね」が付き、イベントに参加していない方からもリプライをいくつか頂戴しました。多くの方が関心ある質問なのかなと感じました。

少しだけ補足すると、下図のどちらが良いと思うか?という質問です。

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もちろん組織の成熟度にも依る話だと思いますが、それぞれ以下のようなメリット・デメリットがあるかと感じています。

独立のデータ分析チームを立ち上げ

メリット

チームとしての一体感があり推進力が高まる

デメリット

実際のプロダクト担当者との距離が空いてしまう

個々のチームに分析担当者を配置

メリット

実際のプロダクト担当者との距離が近い

デメリット

チームとしての一体感に欠ける

パネルディスカッションでの学び

今回のイベントの登壇者はデータ分析チームの責任者ということで、独立のデータ分析チームを立ち上げた視点での話を多く聞くことができました。

話題の中で、求められる取り組み(ミッション)として大きく分けて以下の2種類が挙げられたように感じました。前者は自分たちで分析を実施していく取り組み、後者は自分たち以外に分析やデータ利活用を促す取り組みです。

  • 意思決定につながる価値のある分析の実行(自分たちで分析を実施する)
  • データの民主化(多くの人にデータ分析に関わってもらう土台を作る)

独立のデータ分析チームを立ち上げることは、両者にメリットが有ると思いました。

前者についてチームを独立させる最大の利点は、データ分析チームのリーダーがタスクを取捨選択でき、担当者が価値のある分析に集中できる点です。パネルディスカッションの中でも「依頼を断ること」の大切さがたびたび強調されていました。

後者についても、分析の属人性を解消できる利点があります。個々のチームに分析担当者を配置する場合は、それぞれのチームにおける分析のプロフェッショナルは育成できますが「その人がいなくなった途端に誰もデータの定義が分からなくなる」のような事態が起こりがちです。ドキュメントを整備したり知見を共有したりする視点でも、独立のデータ分析チームを作っておく意味があると思いました。

懇親会での学び

パネルディスカッションを通じて独立のデータ分析チームを立ち上げるメリットを十分に把握できたので、懇親会では「プロダクト担当者との距離が空いてしまう」というデメリットについて議論したいと思い、積極的に登壇者に話しかけました。

時間が短かった関係で4人中2人の登壇者としか会話できませんでしたが、交わした議論の要点を羅列しておきます。

  • 個々のプロダクトにどっぷりと浸からないと良い分析はできない
  • そのためデータ分析チームから個々のチームに分析担当者を「派遣する」ようなやり方を実行している
  • 分析担当者がつまらないタスクに忙殺されないよう、リーダーとして仕事を管理しなければならない
  • 単純なタスクに関しては受け皿となる窓口を一元化して、必要に応じて処理するようにしている
  • 大抵は(プロダクト数)>(分析担当者数)なので、いくつかのプロダクトに注力する
    • プロダクトの選抜基準は、会社としてのプロダクトの重要性&プロダクトマネージャの分析への理解

自分なりの結論

本イベントを受けての、冒頭の問いに対する自分なりの結論を以下にまとめます。

  • 組織としてデータ利活用を推進していく上では、独立のデータ分析チームを立ち上げる方がより大きなミッションを遂行できる
  • 一方で「プロダクト担当者との距離が空いてしまう」というデメリットは間違いなく存在する
  • それを回避するため、重要ないくつかのプロダクトに分析担当者を「派遣する」ような仕組みが理想的である

問いの2択の良いとこ取りの(ズルい)回答になっている気もしますが、自分の中ではモヤモヤが晴れたような感じがしました。このような思考ができただけでも、自分にとって十分に行った価値のあるイベントだったと思います。

最後に、本イベントでは改めて(データ分析チームに限らず)リーダー自体の聡明さの大切さを感じました。私の結論も「リーダーが十分にビジョンを持ってチームをマネジメントできる」という前提のもとで成り立っています。そういったリーダーとしての素養を広く共有するという意味でも、このようなイベントの意義は大きいと思います。

次回も機会があれば、ぜひ参加したいです。