u++の備忘録

なぜ専門家と一般人で「人工知能(AI)」の認識ズレが起きるのか

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English version:

upura.hatenablog.com

はじめに

本記事では、以下のように「専門家」を定義し、「一般人」はそれに該当しない人を想定している。

  • 専門家……「人工知能(AI)」という語が諸般の技術要素などの集合概念として使われていると理解できている人

背景

最近、会社内でエンジニア以外の職種の方と話したり、帰省時に情報分野が門外漢の両親と話したりする機会が頻繁にあった。その際に今流行りに流行っている人工知能(AI)の話題になることもあったのだが、うまく話が噛み合わないことが少なくなかった。その原因がどこにあるか*1、自分の中で考えてみた結果を図示&言語化しておく。

一つの"AI"が全てをやっていると誤解

原因をまとめ図示したのが、冒頭の図だ。結論から述べると「一つの"AI"が全てをやっていると誤解」しているのではないかと思う。

研究者・開発者は、音声認識・画像認識・自然言語処理などを駆使し、多くの成果物を世に出している。一般人はそれらをテレビ・新聞・SNSなどのメディアを通じて知ることが多いが、その際には任意の成果物に「人工知能(AI)」というラベルが貼られることが多い。その結果、全ての成果物が(唯一の)人工知能(AI)によって為されていると理解されている気がする。

こうした認識ズレが原因で、巷では「人類VS人工知能(AI)」という過度な煽りが流布してしまうのだろう。

おわりに

この構図を意識しておくと、多くの人とのコミュニケーションが円滑に進む気がしている。誤解している場合には相手に応じて、理解を正すよう促したり、話を合わせて穏便に処理したり……と。

*1:筆者のコミュニケーション能力不足は無視する